逆流性食道炎

逆流性食道炎とは、胃酸(=塩酸)が逆流することで、胸焼け、呑酸(酸っぱい水が上がってくる)、胃痛(みぞおちの痛み)、もたれ、喉の違和感(つまり感)、咳などの症状が起こる病気です。食べ過ぎ飲み過ぎ、寝る前の飲食、脂もの・甘い物の摂り過ぎ、肥満や便秘も原因となります。食道と胃の境目にある筋肉が緩い方(食道裂孔ヘルニア)や胃腸の運動が低下している方に起こりやすい病気です。正確な診断のために胃カメラで精密検査を行うことをお勧めします。治療は胃酸の分泌を抑える薬がとても良く効きます。軽快しても再発することがありますので、食生活に気をつけた上で、薬の力を利用するといった上手なつきあい方をしましょう。

よこはまタウン新聞4月号 逆流性食道炎について
第15回 バレット食道って何?
第21回 喉の違和感、イガイガ、つまり感が気になる方多いです!耳鼻科?消化器?

血便

    • 血便とは。

血便とはおしりから血液(の便)が排出されることですが、血便を起こす疾患は多岐にわたります。血便に対して、下血という言葉がありますが、血便と下血は異なります。 下血の原因は、上部消化管(食道、胃、十二指腸)の出血です。例えば胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃癌などが出血を起こすと、血液(赤血球)が胃酸で酸化されて黒い便が排出されます。真っ黒い便なのでタール便とも呼ばれます。 一方、血便は赤いまたは赤黒い便で、その原因は下部消化管(小腸、大腸)の出血です。皆さんはびっくりしてクリニックに駆けこんできます。下記を読んで頂いてから受診して下さい。

    • 血便を来す疾患についてお話しします。

 罹病期間(どのくらいの期間の血便か、急性か、慢性か)、1日何回でるか、腹痛を伴うか、元々痔があるか、排便の痛みがあるか、下痢か便秘か、発熱があるか、体重減少があるか、色はどのようか、便自体が赤いか便の表面の血液付着か、便器が赤いだけか、ペーパーの血液付着か、薬剤服用歴はあるか、海外渡航歴はあるか、生ものの摂取があるか、などによって様々な疾患を診断していきます。

    • 急性の場合、

 痛みがなくて多量:大腸憩室出血  
痛みあり(左下腹部)、下痢:虚血性腸炎  
発熱、下痢、腹痛:感染性腸炎  
鮮血便、排便時痛(なくてもよい)、便器が赤い、ペーパーに血液付着:痔からの出血  
薬剤(抗生剤など)服用歴あり、下痢、血便、腹痛:薬剤性出血性大腸炎

    • 慢性(数週間、数か月)の場合、

下痢、血便:潰瘍性大腸炎  
下痢、腹痛、体重減少、血便:クローン病  
血便(血液付着):大腸癌、大腸ポリープ

血便で来院されたら、上記の問診をさせて頂き、予想される疾患を考えて、診察→検査→診断→治療していきます。
診察では腹部の触診、聴診、打診に加えて、肛門指診(肛門に指を入れて、出血の状態、腫瘍の有無、痔の有無のチェック)を行います。肛門鏡で肛門~直腸の出口を観察させて頂くこともあります。
検査としては、予想される疾患により、血液検査(貧血の有無、炎症所見など)、腹部エコーや腹部CTで大腸の状態のチェック(壁肥厚、憩室の有無など)を行います。緊急性を判断した上で、緊急性がなければ後日大腸内視鏡検査を施行することをお勧めしています。
治療は診断に応じて決定されます。大腸憩室からの大量出血など入院を必要とする場合もありますが、多くは外来で経過を見ながらの治療で軽快します。慢性的な病気では継続した治療が必要になる場合もあります。
大腸癌を見つけるために健診で行われる便潜血検査は、顕微鏡的血便とも言われています。陽性の方は、大腸内視鏡検査を受けましょう。痔がある方、生理中に検査をされた方も、良い機会ととらえて大腸内視鏡検査を受けましょう。
当院では、血便の診断のための血液検査(至急で1時間以内に結果判明)、腹部エコー、腹部CT、肛門鏡、大腸内視鏡検査、カプセル内視鏡検査の全ての施行が可能です。 大腸内視鏡検査は鎮静剤+鎮痛剤を使用して楽に受けて頂いておりますので、初めての方でも安心して受けることができます。

10月号 大腸カメラのすすめ
第14回 意外と多い虚血性腸炎
第20回 おしりから血が出たら(下血と血便は同じ?)
第26回 いぼ痔のおはなし―突然の鮮血便ー
特別回 大腸癌を予防するためには 

胃痛

    • 胃痛

胃痛とは、みぞおち周辺に感じる痛み(心窩部痛)や不快感の総称です。
胃や十二指腸の病気だけでなく、胆のう・膵臓・心臓などの病気が原因となることもあるため、症状が続く場合は早めの受診をおすすめします。

    • このような症状はありませんか?

 みぞおちが痛い、食後に胃が痛くなる、空腹時に胃が痛む、胃が重い、もたれる
胸やけや酸っぱいものが上がってくる、吐き気や嘔吐がある、食欲がない、吐血した
黒い便(タール便)が出た、痛みを繰り返している、市販薬を飲んでも改善しない
発熱を伴う腹痛、体重減少がある、初めて胃痛が出現した

    • 胃痛(心窩部痛)の原因はさまざまですが、代表的なものとして以下が挙げられます。

胃・十二指腸の病気
急性胃炎、慢性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、ヘリコバクター・ピロリ菌感染、
逆流性食道炎、機能性ディスペプシア(胃の機能障害)、胃ポリープ、胃がん
胆のう・膵臓などの病気
胆石症、胆のう炎、胆管結石、胆管炎、急性・慢性膵炎、膵臓がん、胆道癌
その他
ストレスや自律神経の乱れ、消炎鎮痛薬(痛み止め)などの薬剤による胃粘膜障害
心筋梗塞など心臓の病気(みぞおちの痛みとして現れることがあります)

    • 当院で行う検査

症状や診察所見に応じて、必要な検査を行い、原因を詳しく調べます。
胃カメラ(胃内視鏡検査)
胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、逆流性食道炎などを詳しく調べます。
必要に応じてピロリ菌検査や組織検査(生検)も行います。
腹部超音波(腹部エコー)検査
胆石、胆のう炎、膵臓疾患、肝臓疾患などを評価します。
CT検査
胃以外の臓器も含めて詳しく調べることができます。
膵臓や胆道疾患、腹部腫瘍などの診断に有用です。
血液検査
炎症、貧血、肝機能・膵酵素などを確認します。

    • 治療について

原因に応じて適切な治療を行います。
胃酸を抑える薬(PPI・P-CAB)、胃粘膜保護薬、消化管運動改善薬、ピロリ菌除菌治療
食事・生活習慣の改善、必要に応じて専門医療機関への紹介

    • 当院の胃痛診療のまとめ

胃痛(心窩部痛)の原因は胃だけとは限りません。
当院では、消化器専門医による診察を行い、胃カメラ・腹部エコー・CT検査を組み合わせることで、胃だけでなく胆のうや膵臓なども含めて総合的に診断します。

胃痛が長引く方や、健診で異常を指摘された方もお気軽にご相談ください。
早期発見・早期治療につながるよう、一人ひとりに適した診療をご提供いたします。

8月号 ピロリ菌のお話
第17回 ヘリコバクターピロリ抗体陽性と言われたら
第29回 鼻からやるとなぜ胃カメラは楽なのでしょうか?

吐き気・嘔吐

    • 吐き気・嘔吐

吐き気・嘔吐は、胃や腸の病気だけでなく、肝臓・胆のう・膵臓の病気、感染症、薬の副作用、ストレスなど、さまざまな原因で起こる症状です。
軽い胃腸炎から緊急治療が必要な病気まで幅広く、原因を正しく見極めることが大切です。

    • このような症状はありませんか?

吐き気が続く、何度も繰り返す、食事がとれない、水分も飲めない、嘔吐を伴う
胃の痛みや胸やけ、腹痛がある、発熱や下痢を伴う、めまいや頭痛を伴う
健診で肝機能異常や胆石を指摘されたことがある

    • 考えられる主な原因

急性胃腸炎(ウイルス・細菌感染)、胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎
機能性胃腸症、胆石症、胆のう炎、急性膵炎、膵臓の病気
肝炎などの肝疾患、便秘や腸閉塞、薬の副作用、ストレスや自律神経の乱れ
妊娠初期(つわり)、脳卒中や脳腫瘍などの脳疾患(激しい頭痛や意識障害を伴う場合)

    • 当院で行う検査

症状や診察所見に応じて、必要な検査を行い、原因を調べます。
 血液検査(炎症、肝機能、膵酵素など)
 腹部超音波(エコー)検査
 CT検査
 胃カメラ(胃・食道・十二指腸の詳しい検査)
 必要に応じて尿検査や心電図など

当院では、腹部超音波検査、CT検査、胃カメラを院内で実施できるため、吐き気の原因をできるだけ早く診断し、適切な治療につなげます。

    • 治療について

原因に応じて治療方法は異なります。
 吐き気止めや胃薬の処方、点滴による脱水の改善、感染症に対する治療
 胆石や膵炎など専門的な治療が必要な場合は、適切な医療機関へ速やかにご紹介します。

    • このような場合は早めの受診をおすすめします

 水分が全く摂れない、嘔吐を何度も繰り返す、血液を吐いた、黒い吐物が出た
 激しい腹痛を伴う、高熱や強い脱水症状がある
 激しい頭痛、手足の麻痺、意識がもうろうとする
これらの症状は緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。できるだけ早く医療機関を受診してください。

吐き気は一時的な胃腸炎によることもありますが、肝臓・胆のう・膵臓などの病気や、まれに重篤な疾患が原因となることもあります。「様子を見ても改善しない」「繰り返し吐き気が起こる」という場合は、お早めにご相談ください。

9月号 機能性ディスペプシアとは?
第30回 「げっぷ」のお話(げっぷでお困りの方に)
第35回 冬の激しい嘔吐・下痢 ― ノロウイルスに注意!

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