過敏性腸症候群とは

  • 「通勤途中に急にお腹が痛くなり、トイレに駆け込みたくなる」
  • 「緊張するとすぐに下痢をする」
  • 「便秘と下痢を繰り返している」
このような症状でお困りではありませんか?

過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)とは、腹痛やお腹の不快感とともに、下痢や便秘などの便通異常を繰り返す病気です。
・一般には「過敏性腸炎」と呼ばれることもありますが、腸に明らかな炎症が起きている病気ではないため、医学的には「過敏性腸症候群」と呼ばれます。
血液検査や大腸カメラなどを行っても、症状の原因となる明らかな異常が見つからないことが特徴です。
・過敏性腸症候群では、次のような症状がみられます。

  • 腹痛を繰り返す
  • 下痢を繰り返す
  • 便秘が続く
  • 下痢と便秘を繰り返す
  • 排便すると腹痛が軽くなる
  • 急に便意が起こり、トイレを我慢できない
  • 通勤・通学中にお腹が痛くなる
  • 外出するとトイレの場所が気になる
  • お腹が張る
  • ガスが多い
  • 便が残っている感じがする

・症状の程度には個人差があります。
・特に、朝の通勤・通学、会議や試験、人前で話すときなど、緊張やストレスがかかる場面で症状が強くなることがあります。

過敏性腸症候群にはいくつかのタイプがあります

・便の状態によって、主に次のタイプに分けられます。
下痢型:軟便や水のような便を繰り返すタイプです。
  突然強い便意が起こることがあり、「電車に乗るのが怖い」「トイレがない場所に行くのが不安」など、日常生活に影響することもあります。
便秘型:硬い便やコロコロした便が多く、便が出にくいタイプです。
  強くいきまないと出ない、排便しても便が残っている感じがする、といった症状を伴うことがあります。
混合型:下痢と便秘を繰り返すタイプです。
分類不能型:症状はあるものの、上記のいずれにもはっきり分類できないタイプです。

なぜ過敏性腸症候群になるのでしょうか?

・過敏性腸症候群の原因はひとつではありません。
腸の動き、腸の知覚過敏、ストレス、食事、腸内細菌など、さまざまな要因が関係していると考えられています。
・特に重要なのが、「脳と腸の関係(脳腸相関)」です。 脳と腸は神経などを介して密接に連絡しています。そのため、緊張やストレスによって腸の動きが活発になったり、通常なら気にならない腸の動きやガスを痛みとして強く感じたりすることがあります。
「気の持ちよう」という意味ではなく、脳と腸がお互いに影響し合うことで実際に症状が起こる病気です。

過敏性腸症候群の検査

・過敏性腸症候群と似た症状を起こす病気はたくさんあります。そのため、最初から「過敏性腸症候群だろう」と決めつけず、必要に応じて他の病気がないかを確認することが重要です(除外診断)

・症状や年齢などに応じて、
  • 血液検査
  • 便検査
  • 腹部エコー
  • CT検査
  • 大腸カメラ(大腸内視鏡検査)
などを行います。

・特に、大腸がん、大腸ポリープ、潰瘍性大腸炎、クローン病などでも腹痛や便通異常が起こることがあります。

・こんな症状がある場合は詳しい検査が必要です
  • 血便が出る
  • 発熱がある
  • 原因不明の体重減少がある
  • 貧血を指摘された
  • 夜中に腹痛や下痢で目が覚める
  • 最近になって急に便通が変化した
  • 大腸がんになった家族がいる
  • 便潜血検査で陽性になった
といった場合には注意が必要です。

・このような症状がある場合には、大腸カメラなどで大腸に病気がないか確認することが大切です。

過敏性腸症候群の治療

・治療は症状やタイプに合わせて行います。

生活習慣・食事の改善
  • 規則正しい食事を心がける
  • 暴飲暴食を避ける
  • 睡眠を十分にとる
  • 適度な運動をする
  • アルコールをとりすぎない
  • カフェインをとりすぎない
  • 脂肪の多い食事を控える
など、生活習慣を見直します。

・症状によっては、腸内で発酵しやすい特定の糖質を控える低FODMAP食が有効な場合もあります。ただし、過度な食事制限にならないよう注意が必要です。
薬による治療
症状に応じて、

  • 腸の動きを整える薬
  • 整腸剤
  • 下痢を改善する薬
  • 便秘を改善する薬
  • 腹痛や腸のけいれんを抑える薬
  • 腸の知覚過敏などに作用する薬
などを使い分けます。

下痢型・便秘型など、過敏性腸症候群のタイプによって使用する薬は異なります。
・患者さん一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせて治療を調整していくことが大切です。
過敏性腸症候群は我慢する必要はありません
・過敏性腸症候群は命にかかわる病気ではありませんが、症状が続くと日常生活に大きな影響を与えます

  • 「電車に乗れない」
  • 「外出するのが怖い」
  • 「会議中にお腹が痛くならないか心配」
  • 「旅行に行くとトイレばかり気になる」
といった悩みを抱えている方も少なくありません。

適切な診断と治療によって症状を改善できる可能性があります

こんな方はご相談ください

  • 腹痛と下痢を繰り返している
  • 便秘がなかなか改善しない
  • 下痢と便秘を繰り返している
  • 排便すると腹痛が軽くなる
  • 緊張するとすぐにお腹が痛くなる
  • 朝になると下痢をする
  • 通勤・通学中に急にトイレに行きたくなる
  • お腹の張りやガスが気になる
  • 市販薬を飲んでも症状が改善しない
  • 過敏性腸症候群なのか、他の病気なのか心配
といった症状がある方は、お気軽にご相談ください。

大切なのは、「過敏性腸症候群だろう」と自己判断する前に、大腸がんや炎症性腸疾患など他の病気が隠れていないかを確認することです。

必要に応じて血液検査、便検査、大腸カメラ、腹部エコー、CTなどを行い、症状に合わせた治療をご提案します。

文責:かわぐち消化器内科院長 川口義明

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